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学力よりも必要な3つのこと
こんにちは。
サンタです。
近年、日本の子どもたちの「学力低下」が問題視されています。
はてな
人にとって「学力」よりも必要なことはないのだろうか?
その結論の前に、日本の子どもたちの学力地位について見てみます。
以下、OECD加盟国、2018年のPISA学力調査の結果です。
※PISA調査、国名検索できます
順位 | 読解リテラシー | 平均点 | 順位 | 数学的リテラシー | 平均点 | 順位 | 科学的リテラシー | 平均点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | エストニア | 523 | 1 | 日本 | 527 | 1 | エストニア | 530 |
2 | カナダ | 520 | 2 | 韓国 | 526 | 2 | 日本 | 529 |
3 | フィンランド | 520 | 3 | エストニア | 523 | 3 | フィンランド | 522 |
4 | アイルランド | 518 | 4 | オランダ | 519 | 4 | 韓国 | 519 |
5 | 韓国 | 514 | 5 | ポーランド | 516 | 5 | カナダ | 518 |
6 | ポーランド | 512 | 6 | スイス | 515 | 6 | ポーランド | 511 |
7 | スウェーデン | 506 | 7 | カナダ | 512 | 7 | ニュージーランド | 508 |
8 | ニュージーランド | 506 | 8 | デンマーク | 509 | 8 | スロベニア | 507 |
9 | アメリカ | 505 | 9 | スロベニア | 509 | 9 | イギリス | 505 |
10 | イギリス | 504 | 10 | ベルギー | 508 | 10 | オランダ | 503 |
11 | 日本 | 504 | 11 | フィンランド | 507 | 11 | ドイツ | 503 |
12 | オーストラリア | 503 | 12 | スウェーデン | 502 | 12 | オーストラリア | 503 |
13 | デンマーク | 13 | イギリス | 502 | 13 | アメリカ | 502 | |
14 | ノルウェー | 501 | 14 | ノルウェー | 501 | 14 | スウェーデン | 499 |
15 | ドイツ | 498 | 15 | ドイツ | 500 | 15 | ベルギー | 499 |
16 | スロベニア | 495 | 16 | アイルランド | 500 | 16 | チェコ | 497 |
17 | ベルギー | 493 | 17 | チェコ | 499 | 17 | アイルランド | 496 |
18 | フランス | 493 | 18 | オーストリア | 499 | 18 | スイス | 495 |
19 | ポルトガル | 492 | 19 | ラトビア | 496 | 19 | フランス | 493 |
20 | チェコ | 490 | 20 | フランス | 495 | 20 | デンマーク | 493 |
21 | オランダ | 485 | 21 | アイスランド | 495 | 21 | ポルトガル | 492 |
22 | オーストリア | 484 | 22 | ニュージーランド | 494 | 22 | ノルウェー | 490 |
23 | スイス | 484 | 23 | ポルトガル | 492 | 23 | オーストリア | 490 |
24 | ラトビア | 479 | 24 | オーストラリア | 491 | 24 | ラトビア | 487 |
25 | イタリア | 476 | 25 | イタリア | 487 | 25 | スペイン | 483 |
26 | ハンガリー | 476 | 26 | スロバキア | 486 | 26 | リトアニア | 482 |
27 | リトアニア | 476 | 27 | ルクセンブルク | 483 | 27 | ハンガリー | 481 |
28 | アイスランド | 474 | 28 | スペイン | 481 | 28 | ルクセンブルク | 477 |
29 | イスラエル | 470 | 29 | リトアニア | 481 | 29 | アイスランド | 475 |
30 | ルクセンブルク | 470 | 30 | ハンガリー | 481 | 30 | トルコ | 468 |
31 | トルコ | 466 | 31 | アメリカ | 478 | 31 | イタリア | 468 |
32 | スロバキア | 458 | 32 | イスラエル | 463 | 32 | スロバキア | 464 |
33 | ギリシャ | 457 | 33 | トルコ | 454 | 33 | イスラエル | 462 |
34 | チリ | 452 | 34 | ギリシャ | 451 | 34 | ギリシャ | 452 |
35 | メキシコ | 420 | 35 | チリ | 417 | 35 | チリ | 444 |
36 | コロンビア | 412 | 36 | メキシコ | 409 | 36 | メキシコ | 419 |
37 | / | / | 37 | コロンビア | 391 | 37 | コロンビア | 413 |
※2018年調査で、国際基準を満たさなかったスペイン(読解リテラシーのみ)は除外。
参 考
PISAの学力調査をみて思うことは。
なぜ、学力低下が叫ばれているのか。
2000年に初めて、PISA調査を行った時のこと。
関連
日本はOECD加盟国28か国を含む、全32か国の調査で
「数学的リテラシー」の分野で世界1位だった。
「科学的リテラシー」が2位で、
「読解力リテラシー」が8位だった。
そして、2018年調査では
関連
先の表の通り、OECD加盟国37か国中、
「数学的リテラシー」は1位。
「科学的リテラシー」は2位。
「読解力リテラシー」は11位だった。しかし。。
この間、
実はPISA調査への参加国が増えた。
全参加・地域79か国中の順位で見ると、
「数学的リテラシー」は6位。
「科学的リテラシー」は5位。
「読解力リテラシー」は15位!
全体での順位を昔とシンプルに比較して
学力が低下している!何とかしないと。原因はなんだ?生活か教育か。
と考えられているのです。
と思うのですが。
そして、
そうだ、もっと「読書」をさせよう!
と目先の「課題」の改善を急ごうとします。
はたして喫緊の課題は本当に「読解力」なのだろうか?
学力比較するときは、いろいろな視点から見た方がいいです。
偏った視点や、短絡的な視点だけだと、大変なことになります。
子どもにとって、大人の物の見方や考え方は、直接影響を受けます。
それだけ大人の方針は、重要なものです。
本当に学力が低下して
読解力を伸ばすことが一番なのか。
もしかして、
このようには、考えられないでしょうか。
ポイント
日本の学力が低下してるんじゃない。
世界の学力が上がってきているんだ!
世界の子どもたちが
思いっきり努力して、どんどん力をつけている。
他国で、学力の向上に火がついて、
国民全体が同じ方向を向いて進む時代になっている!
のかも知れません。
という捉え方もできるはずです。
参 考
※厳密には、まず「参加国数」が増えています。もともと参加していなかった(OECD国ではない)「北京・上海・江蘇・浙江」や「シンガポール」「マカオ」などの学力が高くなっています。さらに、国単位でなく「地域」で調査に参加しているという点も、単純比較しにくいポイントでしょう。
少し話がそれましたが、PISA調査から参考にしたいのは、
「日本の子どもの学力は決して低くはない」ということ。
さらに今の時代、
「日本の学力は世界でもそこそこあるんだから、もっと生きて行く上で絶対必要なことを身につけておこう!」ということです。
世の中、博士や大臣を目指す人ばかりじゃない。
いたって「一般的な人生を進みたい」
あるいは、「一般的な人生を進むだろう」という人にとって、
「学力よりも必要なもの」とは何か。
以下にまとめました。
「学力よりも必要」なこと1つ目は
必要なもの1つ目は「考え方」です。
「考える力」ではなく「考え方」です。
学習指導要領が改訂され、「思考判断表現」する力の育成が唱えられている昨今。
「思考力」も必要です。
ただそれ以上に絶対に必要になるのが「考え方」です。
何かしらの出来事に遭遇した時、
思考力があれば「よりよい問題解決」につながることもままあります。
ただ、すべてが解決できる問題とも限りません。
なにが起こるのか、「予測困難な時代」が来ると言われています。
なかには、解決不可能なことや、類まれな難問に遭遇することもあるでしょう。
また、自分の力ではどうしようもないこともあります。
ときには、自分が不遇だと感じ、そのことを嘆くこともあるかも知れません。
そのような場面で自分はどのように行動できるか、行動選択するか。
と考えた時、
「思考力」だけでは、もしかすると余計深みにはまって、抜け出せなくなる可能性すらあります。
ただ考えてるだけで、行動は二の次になって、実践の伴わないものになるかも知れません。
物事を深く熟考する力は必要です。
しかし、熟考しても解決できない問題にこそ、「考え方」が必要になります。
たとえば…
自分は周りから無視されているかも…
人に自分の時間を邪魔されなくて済む。超ラッキーじゃん!!
どうしても仕事に行きたくない…
人生あと何日?え50年?18250日もあるじゃん。いいよいいよ、一日くらい休もう!なんなら2、3日休んでもOK!
だんなが全然家の事しなくて腹立たしい…
いいねえ!わたしの家には、お金を稼いでくる子どもがいるなんて!
大学に進学したい。でも経済的に家がしんどい。。
親にお金を頼らず進学するしかないな。奨学金を借りるパターンか、もしくは、夜間大学か通信制大学に通って学費を安くあげるパターン。はたまた、思いっきり勉強して国立受験を目指すパターンか。自分で実現できそうなパターンをいろいろ考えないと。
まだ学生なのに、早くから自立した考え方ができるなんて、わしは名実ともに大人だぜ! そこらの遊んでる学生よりも、まじ真剣に学べる気がする!
一例ですが。
どれも簡単に解決できない問題です。
でも、そんなときほど「考え方」が重要。
「考え方」の重要性については、手ほどきを受ける機会はほとんどありません。
育った環境によってうまく作りあげられる人もいれば、
自分で価値観を広げるために、広い世界を見に行くような人もいます。
いずれにせよ、「考え方」の根本に自分の「幸福度」が高まる発想ができているかどうかがキモです。
自分の「考え方」を、自分の「幸福度」を高めるためのものに育てて行くこと。
\テストで数値化できない力とは/
「学力よりも必要」なこと2つ目
2つ目は「行動力」です。
「行動力」は、いつの時代にも必要なもの。
新時代が到来しても、その重要性は変わりません。
大人の世界でも子どもの世界でも同じですが、
結局、アクションがなければ、考えてない、思っていないと見なされてしまう。
いくらいいことを考えていても「行動」しなければまったく意味がありません。
実績も生まれず、実益も伴わない。
現実味がない。
戦後の日本社会では、「行動」よりも「言論」がわりと重要視されてきました。
今でも、「言論」の力は、強い影響力があります。
かつて、その日本の風潮にメスをいれた作家がいます。
三島由紀夫です。
「行動」とは何か。
三島は著書のなかで、次のように「行動」について語っています。
目的のない行動はあり得ないから、目的のない思考、或いは目的のない感覚に生きている人達は行動というものを忌み嫌い、これを恐れて身をよける。
思想や論理がある目的を持つて動き出すときには、最終的には言葉や言論ではなくて、肉体行動に帰着しなければならないことは当然なのである。
三島由紀夫「行動学入門」より
「行動学入門」の中で三島は、空しく形骸化した国民精神が、まん延することを嫌うかのような語り口です。
しかし、残念ながら、三島のこのような思いは、日本の高度経済成長の勢いの中に埋もれてしまいます。
三島由紀夫の語る「行動学」は、巧言令色に染まっていく日本社会に対する警告か。
「知ること」=「行動すること」
「行動力」は認知のあらわれです。
だれかを見て、「あの人はすごい」とか「あの人は天才だな」と思う事があるとしたら、
それは間違いなく「行動力」の差が大きいからです。
あなたが行動すれば、あなたしかできないことがきっと実現するはずです。
人は、それを見て「ああ、すごい」「ああ、天才だ」などと口にします。
考え方はいたってシンプル。
「認知・目的」を自分のあたまで確認したら、それに向けて実行する。
簡単なようですが、「行動」には、大きなエネルギーを必要とします。
それは当然のことです。
幸福度を高める「考え方」を養い、それを生かしつつ、目的にむけた「行動力」を意識すること。
「行動」は無意識にはできないものです。
\自分で行動を始める子たち/
「学力よりも必要」なことの3つ目
最後に、あと一つ、必要なことがあります。
学力よりも必要なこと。
3つ目は、「判断力とその先にある運」です。
さまざまなインターネットソースは、大人が毎日約35,000のリモート意識的な決定を行うと推定しています。(対照的に、子どもは約3,000を行います)Sahakian&Labuzetta,2013
この数かばかげているように聞こえるかもしれませんが、実際、コーネル大学の研究者によると、私たちは毎日226.7の決定を食品だけで行っています。 Wansink and Sobal,2007
日本人に与えられた自由意志と、多くの人生選択権。
・何を食べるか。
・何を着るか。
・何を買うか。
・何を信じるか。
・どうやって移動するか。
・どこに住むか。
・どうやってキャリアを積むか。
・だれと住むか。
・子どもはほしいか。
・子どもの名前は。
・子どもに何を食べさせるか。
日々の判断の積み重ねが、今のあなたの人生を作っています。
自分の人生は、誰かが作り上げたものではありません。
何かに依存して、作られるものでもないですよね。
とにかく、「自分自身の判断が、今の自分を作り上げた」と考えることが根っこに必要です。
その上で、日々を送ることが大切でしょう。
そして、
大人は、子どもの10倍以上も、判断する機会が多く、
自分が親となると、それが毎日続きます。
最適な判断をし続けることが、わが子からは求められる。
それが子どもと自分を作っていきます。
「自分を作っている」ときは、あまり気づかないのですが、その判断が「=今の人生」となっているんです。
他の人を見て、うらやんだり、ねたんだりすることは本当に意味が無く。
人のことに口出しをするより、自分の判断に力を注ぐ方がいい。
現実にはその判断が良いものか、悪いものかは、
その後に来る「運」によっても大きく左右されます。
「運」は上手くいっている時は、あまり感じないものですが、
悪いときこそ、「ああ、わたしは不運」だと感じてしまいます。
うまくいくことを、普通に思いがちですが、ちょっとそれは違うだろうなあ、と思います。
上手くいっている、普通に過ごせていることは、それはとても「幸運」なことで当たり前じゃない。
どんな人生を歩むか。
それは、「何を選択して、どのように行動していくか」によって、グングンと変化するんです。
\幸福という「技術」/
学力よりも必要な3つのこと【生きること攻略法】 まとめ
教育は「学力」をつけることが一番わかりやすい仕事です。
生徒にとっても「学力」は数字にはっきりと表れる。
「学力」がついたか、ついていないかは、目に見えてわかる部分です。
教育関係者は学力向上を全面的に打ち出すことが多く、基本的には、学習者もそれを期待しています。
入学する人は、卒業後の進学先を気にします。
学力が高い方が、進学先の門戸も当然広くなります。
だからこそ、学校では「学力」アップを目指します。
「勉強すること」は、今でも当然、教育の第一義。
それはこの先もしばらくは、変わらないでしょう。
しかし、今はまさに「withコロナの時代」
時代の変容に合わせて、「考え方」の柔軟性も必要じゃないかなあ、って思います。
そう考えると「学力」だけを求めて、本当に人生の豊かさにたどり着けるのか。
ぼくには、ちょっとクエスチョンマークが残ります。
みなさんは、どう考えますか。
「学力」よりも「幸福度」を高める。
目の前にある「幸福」が感じられる。
そのような生き方が本当の「人生の豊かさ」につながっていくのではないでしょうか。
おしまい。
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