子どもの様子はそのときどきの「時代背景」によってさまざまに変化します。
親の世代から見て、2020年代の子どもたちはどのように見えているでしょうか。
そう。
今、ほとんどの子どもたちは、バタバタと生活しています。
その理由は、
「することが多い」のが原因です。
「大人時間」のスピードで生きていると言っても言い過ぎではないでしょう。
現在、子どもたちが学校で受ける授業時間数は以下のようになっています。
ー2020年代 中学校の授業時数ー
区 分 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 | |
---|---|---|---|---|
各教科の授業時数 | 国 語 | 140 | 140 | 105 |
社 会 | 105 | 105 | 140 | |
数 学 | 140 | 105 | 140 | |
理 科 | 105 | 140 | 140 | |
音 楽 | 45 | 35 | 35 | |
美 術 | 45 | 35 | 35 | |
保健体育 | 105 | 105 | 105 | |
技術・家庭 | 70 | 70 | 35 | |
外国語 | 140 | 140 | 140 | |
道 徳 | 35 | 35 | 35 | |
総合的な学習 | 50 | 70 | 70 | |
特別活動 | 35 | 35 | 35 | |
総授業時数 | 1015 | 1015 | 1015 |
中学生は「3学年とも」
1年間に「1015時間」の授業を受けることになっています。
2020年度からは、「学習指導要領」も新しくなりました。
小学校4・5・6年生も年間「1015時間」が標準授業時間数となっています。
授業中は、
と、つまらなさそうな顔で「耐える」なんてこともしばしば。
その総時間が「1015時間」
勉強好きでも、
おもしろくないときは、
げんなり。
毎日、決められた授業を受けながら、
家庭でも、忙しく過ごす子どもたちの姿があります。
近年、
子どもたちを慌ただしく変化させてきた、ある習慣があります。
30代以上の親なら気づくことです。
そうです。
その習慣は「スマホ」です。
本記事からは
・子どもを変化させてきた習慣
つまり
スマホと子どもの現状がわかります。
Contents
子どもを変化させたあの「習慣」とは【1990年以前に生まれた親なら知っている】
「スマホ」が子どもたちの生活の時間を奪い取ってしまう道具になっていませんか。
ばたばたと忙しそうにしている子どもたちは、一様にスマホを持っている傾向が見られます。
中高生のスマホ所持率
以下、毎年行われている、内閣府の調査資料からの引用です。
このグラフを見ると
スマホ所持率
小学生
スマホ所持率 53.4%(令和3年)
ネット利用率は 96.0%
中学生
スマホ所持率 80.8%(令和3年)
ネット利用率は 98.2%
高校生
スマホ所持率 98.7%(令和元年)
ネット利用率は、99.2% ほぼ全員。
※ちなみに「高校卒業(高卒)率は91%だから、この数値がどれだけ高いか想像できます。
「ガラケー」の所持率調査は数年前までありましたが。
もう、消えました。
子どもの「習慣」を作るスマホ
スマホは大半の中高生が持っています。
それでも、当時のファミコンの所有率は68%です。
スマホがどれほど大きな社会現象になっているかわかりますね。
ちなみに、ニンテンドースイッチでは32.2%です。
先にも書きましたが、
1年間の標準授業時数
小学校4・5・6年 1015時間
中学校1・2・3年 1015時間
※高等学校は単位数のため割愛。
に対して、
小・中・高校生は毎日何時間、インターネットを利用しているのでしょうか。
なんと驚きの!
平均263.5分!!
毎日4時間20分以上のネットを利用してることになります。
スマホの使い方
学習目的で使用されることが増えた。
学習目的の割合:「平均利用時間は60.8分」
そうです。
1時間くらいは、勉強のために使っています。
残りの時間はほとんどは、「趣味娯楽」や「友人とのコミュニケーション」なんです。
単純に今だけを見ても、「多いなあ」と感じるのではないでしょうか。
これは子どもの習慣の一つのトレンドです。
数年前の調査結果を見てみます。
平成30年の数字です。
この頃は
平均利用時間168.5分
すでに、学習目的でも使っておりその使用時間は、
学習目的35.7分
ポイント
ネット利用の時間のうち
は、以前から全使用時間の「4分の1の時間」に過ぎないのです。
そして
注目すべきは…
中学生の約67.1%が
毎日3時間以上、ネットを利用している!
さらに、
小・中・高の平均使用時間263.5分!
昔、テレビを1日3時間も見ると見すぎじゃと怒られたもんじゃ。
年間トータルで考えると
1日に4時間、毎日ネットを使うということは、1年間で考えると
4時間×365日=1460時間/日
注目すべきは
1年間の標準授業時数:1015時間に対して
ネット利用時間は:1460時間!
学習目的での使用の4分の1=365時間を引いても →1095時間!!
ネットの利用時間は、1年間の「総授業時数」をゆうに超えてしまっています。
子どもたちは、
平日1時間目から6時間目まで受ける授業の時間よりもはるかに長い時間、スマホやPC、タブレット等を触り、バーチャルな世界にいるのです。
4時間と言えども1年間になるとばく大な時間になり、「苦行」である授業の時間を超えます。
歯止めをかける何かがなければ、ネット利用時間は、これからも、もう少し伸びそうな気がします。
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「習慣」による子どもたちの具体的な変化は
昨今のオンライン化も手伝って、ものすごい速さでスマホやタブレット、またはパソコンが日常生活に組み込まれたとことも一因でしょう。
体調不良で学校を休んでも、リモート授業が受けられる。
また、自宅学習や塾でもオンライン化が進みつつあります。
この先、スマホが18禁にでもならない限り、この勢いは止まりそうもありません。
さらに社会では、
「ネット環境」の無い子に対して「何とかしてあげよう」
という動きになっています。
家庭内のネット環境の整備は、近いうちに100%(全世帯)になるでしょう。
そして、幸か不幸かわかりませんが。
ネットの進化とともに、
子どもの様子が変化した点がいくつかあります。
子どもが変化したこと
・辞書をもっている子が減った
・暗記が重要視されなくなり、苦手な子が増えてきた
・漢字は読めても、書けなくなった
・緊急連絡網はいっさいなくなり、電話番号は覚えなくなった
・「表」「裏」、「本音」と「建て前」の境界があいまいになった
・子どもの興味によっては、大人よりもはるかに詳しい分野ができた
・機械に強い子が増えた
・あなり話さない子ども同士でも、情報共有がはやくなった
・ネットを通すと、子どもといえども社会人扱い
等など。
時代の流れです。
昭和の時間感覚、平成の時間感覚、そして令和の時間感覚が生まれてきています。
2020年代の今、
プラットフォームの拡充と、コンテンツの豊富さによって子どもの姿に大きな変化、うねりが見られます。
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子どもを変化させたあの「習慣」とは【1990年以前に生まれた親なら知っている】 まとめ
時代が急加速度的に変化している様子が垣間見える。
今、明治維新以来の大きな変化ではないでしょうか。
ネットの利用率だけ見ると、中学生の7割近くが、1年間の授業時間を超えています。
インターネットの波は、大人が気づかないところで急拡大、昭和のおっさんたちを取り残していくかのようです。
「書くこと」はいつなされているんでしょうか。
スマホの普及率も延び、中学生の所持率も8割を超えました。
一概に悪いこととも言い切れませんが、
そのことによって、時代が、どんな風に変化してきているのか、
これまで何を「大事」にし、何が「必要」とされてきたのかは、再確認しておく時期なのではないでしょうか。
これから求められるのは「使い方」です。
ネットには、
経済的な側面もあり、エンタメや娯楽に特化していくコンテンツも少なくはありません。
楽しみながら道具を使うことは決して悪いことではありません。
しかし、
どれほどの時間を、何のために使用するのか。
これが、エンドユーザーに求められることだと思います。
子どもたちにはなかなか酷なことかもしれませんが、
大人の経済的コンテンツの渦に巻き込まれずに、
いかに「クリエイティブ」に、そして自分の「生活を豊かにする」ツールとして極めていくか。
そこが、
今を生き抜いていくポイントなんだと思います。
より豊かな使い方を目指しましょう!
おしまい。
※本記事の数値は、「平均値」を元に算出しています。みんながみんなそうである、という意味ではありません。当然、個人差も生じていることを予めご理解ください。
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