教師に向かって「暴言を吐く生徒」が、たまにいます。
この状況になると、クラスが崩壊していく"レッドシグナル"が点灯している状態です。
一人の生徒のこのような発言によって、他の生徒に影響が及びます。
実はそこが一番きつい所です。
周りの生徒も、その発言に流されてどんどんゆるい方向へと流れて行ってしまう。
クラスの規律がゆるんでいる。どんどんハードルが下がってくる。
わかっているけど、手だてもなく。
一人で悩んでしまう状態。
腹も立つし、悔しいし。
何とかできることなら、何とかしたい。
「暴言を吐く生徒」がいるとき、どうするかについて考えてみます。
Contents
生徒に暴言を吐かれた【腹立つ、傷つく、もーやめたい】対応は?
この状況を何とかしたい、
もう、堪忍袋の緒が切れた、
といって、叱ったりどなりつけてもあまり効果的ではありません。
ぼくもどなりつけた経験がありますが、より一層反発してくる子も少なくありませんでした。
(その子の成育歴や背景も影響してくるのでその場しのぎの対処療法ではうまくいきません)
もしかしたら、どなりつけた後、自分の前だけでは良くなる子もいるかも知れません。
実際、そんな子どももいました。
でも結局は、自分がいないところで、もっとひどくなっている場合があります。
と焦れば焦るほど、いい結果にはなりにくいものです。
となると、
意識的にできることは。
まずは、「善良な子どもたちを守る」ことです。
〈どうしても無理かも…な人は〉
「真面目な子たち」に与えるべき環境
暴言を吐かれた経験は、ぼくもあります。
暴言を吐く子どもと出会うと、1年間そのままの状況が続くことになるので、かなりつらいです。
もう手遅れ
その1年間は何回も
「〇ね、うざい、キモイ、めんどい、だまれ、〇ろすぞ、なんでお前の言う事聞かんにゃいけんか、しょうもな、ちょっと来い、」等と言われ続けました。
対教師暴力も含め、他にも色々な攻撃を受けました。
ほうきを片付けるように注意すると、あるとき掃除道具ロッカーのドアが外されていたり。
机に落書きをしていることを注意すると、
翌日以降は、机を彫刻刀で彫ったり、教室や廊下の壁に油性マジックで落書きをしたり。
コントロールしようとすればするほど、「挑戦状」が送り付けられる、そんな日々でした。
レッドシグナルを越えた状況でした。
毎日の帰宅も遅く、体も心も悲鳴をあげていました。
シャワーを浴びようと目を閉じると、教室がフラッシュバックしてくる状態。
暴言を吐く行為をやめさせることが最善ですが、
脳の器質的な問題があったり、成育歴があったりもするので、簡単に止まらない場合もあります。
規範意識の低下
ちなみに原因は……
無秩序に突っ走り、反射的に暴言が出る、たった一人の生徒から始まった。
一人の飛びぬけた暴言を吐く生徒。
この子を指導してはいたものの、元々ADHDの気質があったので
反射的に暴言が飛び出してくる状態は止みませんでした。
そして、周りの子たちが徐々に
と感じ、よくない方向への「学び」をするようになって来ました。
改善はしたいと思うのですが、すぐに止まる気配もありません。
そこを改善するよりも目先を変えた指導を先決することが重要です。
こんな時には、「真面目な子たち」をまず守りましょう!
まず大事なポイントは①
真面目な子たちを守るとは……
真面目にしている子たちがアホらしく感じることは、絶対に避けなければなりません。
真面目にしている子たちを、ないがしろにしてしまうと、
そう感じ出す子どもが徐々に増え始めます。
ともすると、手がかかる子に気持ちが向いてしまいそうですが、
それ以上に、真面目にがんばっている子たちがまっとうに評価される環境を保ち続けることが大事です。
そして、
「何とかしようと頑張っている教師の姿」
いわゆる普通の子どもたち、また真面目な子どもたちは、
そんな姿をみると、応援しようとしてくれることもたまにあります。
たとえ応援なんてされなくても、
それが「公正」というものだ、と子どもたちながらに肌で感じているものです。
これだけは言える!
教師の「正義」よりも、教師は「誠意」。
これだけは伝わる。
どんな子どもにも必ず伝わる。
暴言を吐く子への対応
「暴言を吐くことをやめさせたい」という思いは教師ならだれでも持ちうるもの。
どうすれば、「暴言」という行為が止まるのか。
結論を言うと、「暴言をやめさせようとしないこと」です。
そうですよね。
暴言なんて、だれも聞きたくもありません。
教師も人間ですから、
たとえ大人と言えども傷ついたり、感情的に怒ったりするものです。
だからと言って、「抑制する」ことは、本質的な解決にはなりません。
抑え込んでも、心に鬱積したものが解消するわけではないからです。
大事なポイント②
暴言を吐くことを「止める」のではなく、子どもの本音を聞き出すこと。
この子は何かを伝えたいはずだ、本当に言いたい言葉は何だ、と傾聴姿勢を持ち続けることです。
そして、本音が出てくると、ほんの少し子どもの「様子」が変わり始めます。
心が通い始める感覚が生まれてきます。
もう手立ては、これしかありません。
〈「生徒指導提要」をめくろう〉
-
【知らないと損!?】「生徒指導提要」のポイントは【何に使うの】
平成22年(2010年)に公布された「生徒指導提要」(約240ページ)が、 令和4年(2022年)夏、12年ぶりに改訂されます。 サンタ「生徒指導提要」に書いてること。頭にはいりきらん。 ...
続きを見る
人に対して、牙をむけることには、必ず何かしらの原因があります。
それは、これまで自分がそんな目にあってきたか。
もしくは、今現在もそんな目にあっているのか。
また、暴力や暴言によって、人はコントロールできるものだと学んできたのか。
どこかに、きっかけがあり、指導のとっかかりも必ずあるはずです。
そこに耳を傾けられないと、子どもの本当の思いにふれることはできません。
「どんなことでもあなたの話を聞くよ」という姿勢を、常に示し続けることが大事です。
生徒に暴言を吐かれた【腹立つ、傷つく、もーやめたい】対応は? まとめ
教師にとって、「最悪な流れ」というものがあります。
それは、
最悪な流れ
「指導が通らなくなること」
そして、それによって
「生徒指導に時間が奪われること」です。
教師をしていて、一番ストレスが大きいのが
「指導が通らなくなること」です。
そんな関係になってしまっているときは、
もう1対1の人との関係性は崩壊しています。
自分の思いが非常に届きにくい。
仮に運よく思いが届いたとしても、それは「卒業式」直前。
人間関係がフラットにもどる瞬間くらいなものです。
だから、というわけでもないですが。
ぼくは、「卒業式」が学校行事の中で一番好きです。
みんなが一番、「希望」を感じている日に思えるからです。
「目」を向け、「耳」を傾け、「心」を寄せてみてください。
何かが、あなたの五感に飛び込んでくるはずです。
おしまい
\発達障害じゃなかった/
\背景と手立てが知りたい/
〈あわせて読みたい〉
-
学校の「荒れ」を止める方法【一言で言うとこれしかない】
A子教室が荒れている。授業どころじゃないわ。 教材研究は生徒に合うようにと、かなり工夫もしてるけど。授業中も立ち歩いてるし、紙飛行機も飛んでくる。B美 D作注意しても「おれ ...
続きを見る
[st-card myclass="" id=1762 label="" pc_height="" name="" bgcolor="" color="" fontawesome="" readmore="on>>