![](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/02/csuke.png)
「学習指導要領」は教師にとって、めちゃくちゃ大事な一冊です。
教員採用試験には、必ずといっていいほど関連する内容が出題されますよね。
「学習指導要領」は教採重要度MAX
なんですが、わりとノーマークで教採を受けている人が多いんです。
Contents
【教採必勝合格法】『学習指導要領』の変遷「対策のしかた」
執筆者について
執筆者:サンタは、教採を最適化することに力を注いだ経験が有ります。
これまで、教採3回合格しました。
でも、僕の知り合いには、教採4回合格したという猛者がおります。。
なかなかの最適化じゃと思いました。
教採だけではなく、
そもそも「学習指導要領」を読んでおかないと授業ができません。
授業っぽいことができていたとしても、それは法令にのっとった授業にはなりません。
「学習指導要領」をまだ読んだことがない、という人はとりあえずポイントだけでも知っておいてくださいね。
知っておこう
〈ちなみに「生徒指導提要」も大事です〉
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【知らないと損!?】「生徒指導提要」のポイントは【何に使うの】
平成22年(2010年)に公布された「生徒指導提要」(約240ページ)が、 令和4年(2022年)夏、12年ぶりに改訂されます。 サンタ「生徒指導提要」に書いてること。頭にはいりきらん。 ...
続きを見る
「学習指導要領」とは何か
簡単に言うと、
学校教育における、一定水準の教育内容が示された指導指針書です。
以下、文科省からの説明です。
全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。
もしまだ「学習指導要領」を持っていないなら、
教採を受ける前に、最新のものを一冊購入するのをおすすめします。
ぼくも今さらながら、時々使っています。
授業アイデアで悩んだとき学習活動のヒントに読んだり、
「評価」ポイントを指導案に明記するときにも使ったりします。
教師にとっては非常に大事なんです。
学習指導要領には校種・教科がある
\小学校/
\中学校/
\高等学校/
※全教科が一冊になったものと、各教科バラバラの解説編があります。
自分の受験する教科のものをできれば「解説編」で用意したい。
教員採用試験を受ける人は、かならず自分の校種・教科のものを読破したほうがいいです。
教採に出るか出ないかというよりも
教採に深く関連する事柄だからです。
【教採合格法】『学習指導要領』の変遷「対策のしかた」
「学習指導要領」は、「教育トレンド」です。
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学習指導要領には、時代ごとの教育トレンドが含まれます。
なぜなら、「学習指導要領」は時代に合わせて、だいたい10年に一度改編されています。
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少しずつ変わってますよ。
というわけで、まずは「学習指導要領」と教育トレンドの関係について説明します。
「学習指導要領」変遷の歴史とは
近代教育の歴史を知らずに教採を受ける。
それはやめた方がいいと思います。
筆記、模擬授業、面接問わず、知識の浅さで、どこかぼろがでちゃうと思います。
近代教育について、語らずとも知っているだけでも、気持ちに余裕も生まれますね。
では、「学習指導要領」をもとに、近代教育の歴史についておさらいます。
昭和22年(1947年) 初!「学習指導要領」誕生!
昭和22年3月31日「学校教育法」公布。
そして、同年5月23日「学校教育法施行規則」が公布されました。
その規定にともない、昭和22年日本初の「学習指導要領」が誕生しました。
(昭和28年までは、「学習指導要領(試案)」と呼ばれていました。ベータ版ですね。)
一応特徴としては
・教科に「自由研究」があった
・修身、地歴が「社会科」になった
・家庭科ができた
とかがありますが
戦後すぐにできた、くらい知っておけばOK
昭和33年改訂(1958年)
「よっしゃ、日本全国お試しで使ってみたけど、まあ使えるな。」
ということで、
これまでベータ版だった「学習指導要領」はちょっぴり進化。
「今までの指導要領は、授業時数にも幅があるし、地域格差が出とる。
経験的な学習内容よりも、ちゃんと勉強させてほしい。
経済が成長してるんだ、科学技術を学ばせないと。
国際社会で日本が自立していけるように!」という声が出てきた。
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わかりました、改善しましょう。
ということで
ポイント
・学校教育法施行規則で、小学校「年間最低授業時数」を決めた
・「道徳」を新設
・「算数」「理科」をアップグレード
・情操、健康、安全面を教育に
昭和33年改訂では学力アップを目指した。
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ということで、
学力アップと、人間力の育成に、教育が注がれはじめたんですね。
昭和43年改訂(1968年)
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となりました。
1957年、ソ連が世界初、スプートニク人工衛星を打ち上げ
テクノロジーの力に注目が集まりはじめた。
日本の国民生活も、劇的に変化していく高度経済成長期へ突入。
社会的にも成熟し、いよいよ国際社会でも認められてきました。
日本ってすごい国になってるじゃん、と世界の人。
教育の土台ができあがった日本政府は
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となり、
ポイント
・さらに高度な教育
・最低授業時数→「標準授業時数」へと変化
・小学校では学習指導要領を超えた内容をしても良い
・総授業時数は 驚異の「小学校6135時間! 中学校3535時間!」
(ちなみに2021年:現在小学校5785時間 中学校3045時間)
昭和43年改訂ではさらに一層高度な学力アップを目指した。
昭和40年代の人々は
めちゃくちゃ勉強したんですね。
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昭和52年改訂(1977年)
学校教育の発展は目覚ましいものでした。
1960年ころは、高校進学率は60%ほどでしたが。
ぐんぐん進学者数が増え
1975年以降は、90%を超えました。
学力向上は果たした。
そして今度は
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そう。「高度で急速な画一的教育」が行われ学力はあがったけど。
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昭和40年代、物質的な豊かさがあふれた一方で、少年非行は低年齢化・多様化してきていたんですよね。
そして政府のみなさんは
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というわけで
ポイント
・道徳強化「知・徳・体」だ
・教科指導は基礎基本の徹底に精選しろ
・ゆとりある学校生活に余裕を作るため、授業時間は減らそう
・指導も学習も創意工夫できるように
昭和52年改訂では、これからは自ら考え、正しく判断できる力をつけて
となりました。
このときはじめて「ゆとりある」豊かさを目指そうとします。
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平成元年改訂(1989年)
昭和の終盤、日本社会はしだいに価値観が多様化しつつありました。
情報化社会となり、外交も活発化し、日本の国際化も進んできました。
家族の形も変容し始め、核家族化や高齢化社会の懸念が生まれてきました。
21世紀、日本社会は大きく変わっていくだろう、
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今後の、大きな社会情勢の変化を見すえ
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ポイント
・豊かな心、たくましく生きる人間育成
・小学校1・2年生に生活科が新設された!
・高等学校の「家庭科」が男女必修に!
・休みを増やそう「隔週5日制」
そして、「思考力・判断力・表現力」という新しい学力観が生まれました。
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個性をつぶさないように育てていこう、と子どもたちが自ら学ぶことが重要視されてきました。
そして
平成10年改訂(1998年)
メディアの発達によりあふれる情報
日本の経済力が引き出す豊かな物資
日本は「豊沃、かつ飽食の時代」と呼ばれていました。
豊かな日本の誕生です。
一方、少年非行件数はこの10年間で約2倍に増え過去最悪。
その内容も凶悪、多様を極めました。
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勉強ばっかりつめこんでもだめだ。
もっと、大事なことに気づいてもらわないと。
そして「ゆとり教育」が始まりました。
ポイント
・ゆとりのある教育活動
・自ら学び考える力をつけ「生きる力」の育成をめざす
・「総合的な学習」の時間新設
・完全週5日制
・授業時数は歴代最少 「小学校5367時間 中学校2940時間」
(2021年:現在小学校5785時間 中学校3045時間)
いまの社会の急激な変化にしっかり対応してほしい。
学校だけで学ぶんじゃなくて
「自ら学び考え、問題解決できる力」を身につけて。
そのために、学校のある日も減らすし
「総合学習」って時間を用意するからね。
学力は、基礎基本だけ確実に定着させるように!
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その結果!?
2000年PISA学力調査
PISA:(OECD加盟国、15歳対象の国際学力調査)
・読書時間参加国中 最低
・家庭学習参加国中 最低
※ただ順位は31か国中 上位である。
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こら家で遊んでおるな。
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平成15年(2003年)一部改訂
「確かな学力」文科省からの学びのすすめ
平成20年改訂(2008年)
やっぱ勉強させないかん。
でも「つめこみ教育」でも今の時代にはあわない。
「ゆとり」でも「つめこみ」でもない教育
やっぱり「生きる力」
これが重要だ。
これをベースに育てていくべきだ。
そして「脱ゆとり」を目指した。
ポイント
・知識技能の習得と思考判断表現の育成
・外国語教育を導入
・言語活動の活性化
・伝統文化を尊重するため体育に「武道」を取り入れる
やっぱ、勉強してないみたいだから、授業をしよう。
と、授業時数を増やしました。
(2011年:小学校5645時間 中学校3045時間)
グローバル化していく社会で「生きる力」を育てるため
「外国語教育」、英語以外に、中国、韓国、フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル語などでもいいよ。
でもグローバル社会だけに
日本の伝統文化も学んでおいてください。
平成30年(2018年)一部改訂
・道徳の教科化
さらに、
現代社会では道徳心は育てないと伸びにくい。
教科書にそった道徳を学んでください、と追加導入されました。
令和2年(2020年)改訂
現代の「学習指導要領」です。
現代社会では、AIが進化し続けています。
これから先、人の仕事はAIがするようになります。
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未来はまだよくわかっていませんが
自分たちで人生をクリエイティブしていく力が必要になると考えられています。
ポイント
・アクティブラーニングの提唱
・「主体的・対話的・深い学び」の視点
・プログラミング学習導入
・小学校高学年に外国語を教科化
小学校では、もう少し学習できそうだ。
というわけで、またまた授業時数が増えました。
(2021年:現在 小学校5785時間 中学校3045時間)
情報化社会〔Society4.0〕の一歩先の未来
人がサイバー空間と共存する新たな社会Society5.0が目の前に来ています。
これは、経団連のYouTube動画「20xx in Society5.0~デジタルで創る、私たちの未来~」です。
また、内閣府の科学技術政策でも提唱されています。
>>サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合 Society5.0
そんな未来で生きていくための力の育成が
いま、目指されています。
学習指導要領の法的拘束力とは
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学校の授業は「学習指導要領」をもとに学習指導しなければなりません。
![](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/02/csuke.png)
![](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2022/07/Ma.santa_-150x150.png)
その根拠が「学校教育法施行規則」です。
学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第十一号)
第二節 教育課程
第五十二条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。
第七十四条 中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。
第八十四条 高等学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によるものとする。
第百二十九条 特別支援学校の幼稚部の教育課程その他の保育内容並びに小学部、中学部及び高等部の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程その他の保育内容又は教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する特別支援学校幼稚部教育要領、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領及び特別支援学校高等部学習指導要領によるものとする。
昭和22年に日本で初めて「学習指導要領」が出たとき。
同年の文部科学省令「教育基本法施行規則」に明記がある。
教育課程の基準は「学習指導要領」による。
だから、勝手に教える内容を変えたり、授業の時間数を減らしたりしてはいけません、ということですね。
「学習指導要領」自体は「告示」というものになります。
「告示」自体にも法的拘束力があるのですが、発出された「省令」にも当然法的拘束力があるわけで。
つまり、「学習指導要領」は法的根拠があるものなんです。
従わなければ、違法、ということになっちゃうんですね。
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日本の学校の授業は、日本の法律にそっておこなっている、ということですね。
【教採合格法】『学習指導要領』の対策のしかた まとめ
教員採用試験の範囲は、実に膨大です。
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となって、結局たいした対策ができなかった、と受験してもなかなか受かりません。
ぼくも、教採のときは、勉強しました。
同じ学校で講師をしている人が、
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なんて言っても信じちゃだめです。
というか勉強してないとしたらおそらく受からないです。
ぼくは、教採を受けようとしている人にいつも言いますが
実際、
![](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2022/07/Ma.santa_-150x150.png)
ただ、やみくもにしても時間もかかります。
頻出ポイントや、大局にかかわるところに見地をもつことがいいと考えています。
そこを最重点ポイントにしぼって、思いっきり学習していきました。
![](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2022/07/Ma.santa_-150x150.png)
です。
>>「教師」続けるなら読んでおきたい一冊【ティーチャーズbookセレクション】
みなさんのご健闘お祈りしています。
\指導要領使いこなし/
おしまい
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