部活指導で顧問が意識したい6つのポイント

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【部活指導】顧問が意識したい6つのポイント

部活指導は課外活動。

でも、負担も大きく大変です。

 

指導がスムーズに進むといいですが、トラブルが起こることもあります。

そんな活動を支えているのが、「部活顧問」の存在です。

 

最近は、外部指導者を招き入れるなどして、「顧問」の負担軽減も図られています。

 

そんな大変な「顧問の先生」

意識したい6つのポイントについてまとめました。

 

【部活指導】顧問が意識したい6つのポイント

部活指導では、顧問が意識するべきポイントがあります。

 

この記事を書いているのは

directions_run 部活のことだけを考えていたソフトテニス部指導の経験者

directions_run 自分も学生の頃ソフトテニスの経験者だった

directions_run 朝6:40~8:00の練習を中心に部活指導を組み立てた

directions_run 年間40回近くの練習試合、研修大会、公式戦を実施した

directions_run メーカー指導者や高校指導者とのタイアップによる指導を定期実践

directions_run ソフトテニスの本やDVDを50冊ほど読んで指導の言葉を生み出した

という指導経験者のサンタです。

 

ポイントを抑えて、円滑な部活運営を進めましょう。

 

1 選手(生徒)との心のつながりを持つべし

試合中、アイコンタクトで会話ができるとしたら、まさにそれ。

サインなしでも、考えていることが伝わる瞬間がある。

そのレベルで、監督と選手がつながれることが理想です。

 

ソフトテニス部の、ある試合の終盤。

リードしていたが、相手に追いつかれた。

ファイナルセットの前に両校選手がベンチに戻ってきた。

ファイナルの勝率は五分五分。

接戦になると、競り負けることが多い選手。

勝てば上の大会への進出が決まる場面。

たいてい、ファイナルセットは追いつかれた方が劣勢。

追いついた方が勢いがあるんですよね。。

監督(ぼく)の指示は、

「左サイドをねらって、打っていけ」でした。

ファイナルセットは「打つ」か「つなぐ」かいつも判断しにくい。。

はっきり言って、選手の地力がある方が勝つっちゅうのが多いんです。

結果、指示を「信じて打った」選手が勝った。

 

指示がいいのではなく、指示を「信じて」打った選手が強かった。

一番しんどいときに、「迷いなく顧問を信じれる」かどうかは、チームの在り方として大事。

 

信頼関係があれば、選手も思い切ってやれる。

半信半疑だと、

中途半端なプレーが出る。

 

そこまで関係性を作るには、ずーっと一緒に練習したり、飯食いに行ったりと。。

 

ソフトテニスの例ですが、

試合で戦略をたてるとき、とても参考になったのが「熊田道場」です。

 

試合の中でのセオリーを知るためには最高に良かった。

自分も指示に迷いがなくなったので、ちょっと紹介しときます。

自己バイブル度:

 

 

結局、プロ選手でもない生徒が試合で戦うとき、技術があるに越したことはないが、「本当に強いかどうか」が問われるんです。

 

上手いよりも、強い選手。

強い選手が勝つ。

強さは、日々の生活や練習で作るしかありません。

 

選手と監督は、練習の時、「お互いしかわからない言葉」で会話をしている。

他の人が、一度二度聞いてもピンとこないような言葉、世界観ができてきます。

 

練習のときの「言葉」が試合中によみがえってくるかどうか。

言わなくてもわかるようになっているかどうか。

これまで、叱られてきたポイントが理解できているかどうか。

 

戦うにはお互いの心がつながっているかどうか、がとても重要だと思います

 

心のつながりは

とにかく、練習に付き合う。

とにかく、練習を見る。

 

心のつながりを強める方法はこれしかない。

 

練習のみならず、ほんとは、生活を共にするほどの勢いがいいんでしょうね。

寮生活でスポーツに一意専心する生徒がいるのは、信頼関係作りのためにもあるのかなあと思ったりもします。

 

 

指導:「勤務」と練習:「学習」は別のもの

部活指導に熱がこもると、

当然、教員の労働時間・休日の問題がフォーカスされる。

そして、それを言い出すときりがない。

 

そもそも別のものが同じ場所にあるんだから、交わらないでしょう。

 

自分が、設定した練習時間「朝6:40~8:00と、放課後の4:00~7:00」でも、すでに3時間の勤務時間オーバーになります。

でも結局、部活したらそんなことになります。

 

部活は「労働」じゃなくて、「学習」なんだから。

勤務と比べるからややこしくなるんじゃないかなあ。と思ってます。

 

ちなみに、ぼくは、部活の練習が無くても、強豪校の監督のところへ行って、挨拶し助言をもらったりしてました。

選手が練習休みのときでも、顧問は何かしら活動していたのだ。

(練習と勤務は同列じゃないじゃろう、おそらく)

 

部員との心のつながりを目指すには、どれだけの時間を過ごせるかがポイントとなってくる。

 

しかし、教員にも家庭がある。

選手と過ごすと、家庭に負担がかかってくる。家庭との心のつながりが。。

 

運動部の顧問に就任したが、自分には未経験の競技であり、さらには家族もいる。

となると、部活に勤務時間以上に注ぎ込むことが、ナンセンスだと考えるのは当然。

さらには、部活指導をすればするほどいい、という時代でもなくなってきている。

 

そして、そこそこの指導に収まってしまう。

本気でやりたい子は、強豪私学へと進んで行く。

 

部活指導にはコツがある。

最大のコツは「時代に合わすこと」

 

部活指導のコツについては以下記事にまとめてます。

勝つためのソフトテニス部の指導法【実践したこと】
勝つためのソフトテニス部の指導法【シンプル】

部活指導。 学校でこれだけいろいろな課題をかかえた活動は、他にない。 そして教科書が無いので、最も難しい指導の一つでもある。   今回は、自分のソフトテニス部の指導経験から、 実践した指導や ...

続きを見る

 

 

具体的な技術指導でも当然コツはある。

コツがあっても、時代の変化や限られた時間の中。

技術アップの実践は本当に難しくなった。

ただ、心のつながりまでなくしてしまうのはとても寂しいと思っています。

 

時代は変わっても、顧問と選手の気持ちは一つでありたいものです。

 

 

2 生徒の自主活動であるべし

顧問として、部員との距離感を保つことは重要だ。

 

心のつながりを求めて、口を出しすぎるのはあまりすすめない。

 

あくまでも

生徒の自主活動としての側面を大事にしたい

 

・行き慣れた試合会場のときは、公共交通機関を使って自分たちだけで行ってみる。

・練習メニューは、毎回聞かなくても、自分たちの課題にあった練習を考えてみる。

・準備片づけは当然、その他、グラウンドや倉庫など汚れが目立ってきたら自主的に掃除をする。

・先輩から後輩への技術指導を率先してやる。

など、自分たちで活動できることは色々とある。

生徒の自主活動をどんどん進めるべきでしょう。

 

このときの注意点だが、

部活はあくまでも課外活動だ。

教育課程内である、授業や学校行事を乱してはならない。

 

どうする!?

・学校行事を休んで「試合に参加したい」

・性能の良いスポーツウェアを自分だけ着たい。

 

状況にもよるが、ある部活だけが、いつも学校行事とちがう動きになっていては学校経営に影響する。

ひどいときには、学校全体の士気を左右することもあるだろう。

 

生徒の自主的活動は、学校生活の”調和”の中で成り立たつ。

今はまだそれを「前提とした時代」なのかなあ、と思ったりもします。

 

 

3 部活指導は授業よりも難しい

賛否あるだろうが。

 

とにかく、”部活を成熟させていく”ための指導法は五万とある。

 

授業では、”研究授業”という研究会があるが、部活には指導を考える場は無い。

 

部活指導についての、研究討議もなければ、何よりも教科書が無い。

学校には、教科書が無い場での指導というものが時々ある。

 

これが、いちばん難しい。個人的には。。

 

教科書も指導書も無いとき、「何を教えたらいいのか?」がわからない。

色々な指導方法を集めて、実践し、経験によって作り上げていくしかない。

自分の部活指導を作っていくには、非常に時間がかかるのだ。

 

 

それも研究を繰り返しながら指導しなければ、何年やっても教え方が上達しない。

さらに、部活指導がブラックだと指摘され、まともに指導できる時間は減ってきている。

 

 

さらにさらに、学校が変わったら、担当する部活競技が変わることがある。

 

また最初から、指導の研究をしなくてはならない。

 

研究会もないので、やみくもに。見様見真似。。

間違った方向に進んでいても、気づきにくいんだろう。きっと。

 

今、部活においては、生徒も顧問も成長しづらい時代かもしれないですね。

 

 

教科書が無い指導。

 

これは、本当に難しく、顧問一人で考えても上達しづらい所だ。

でも、逆を言うと、ありとあらゆる方法を考えだすことにもつながるんです。

 

ぼくの場合、

・オリジナルのラケットを作ってみた(手製は安全性が心配なので、推奨しません)

・オリジナルの掛け声を作った(目立ちすぎて他の部から笑われた)

・オリジナルスコアシートsofttennisscoreを作った(ソフトテニスにはベンチ用のスコア用紙が無いので、生徒に書くことを嫌がられた)

※スコアシートはご自由にどうぞ。

・他府県での練習場所を確保した(お世話になりました)

などをしてみた。

 

珍しいものを投入すると、しんどい練習のなかに、

選手の笑顔が見られることもあったり。

逆に受けつけられないこともあったけど。

 

部活の練習のバリエーションは無限にある。

決まったやり方はありません。

 

それを吉ととるか凶ととるかで部活は変わってくるんでしょうね。

 

 

4 部活動を”創部した”と仮定して指導を進めるべし

自分が、この部活を「担当」した、という気持ちではなく、

「この部活動を創部した」と仮定して指導を進めていくくらいでないと、部活は成熟していきにくいだろう。

 

顧問がその「部活」のことを、どれだけ真剣に考えられているかが重要。

自分で創部したとなると、下手なことも弱っちいこともさせられない。

わざわざ作った、という「責任」がある。

 

だから、それくらいの思いでやった方がいい形に進む、という意味です。

その真剣さは、生徒にも十分に伝わっていくはずです。

 

 

創部顧問は、「どうすれば、今よりうまく活動がまわるか、試合で実績が残せるか」ということが頭をよぎる。

 

わざわざ新部を作る必要はないだろうが、

気持ちの上では、「担当顧問」じゃなくて、

「創部顧問」で見ていかないと、部活はなかなか変わっていきにくいだろうと思います。

 

 

5 顧問が一番しんどいことを担うべし

選手である生徒がしんどい思いをしているうちは、部活はあまり成熟しません。

 

顧問自身が、いちばんしんどいことをして、初めて生徒や結果がついてくるでしょう。

 

「部活は、生徒主体の活動だから」という言葉は、

顧問が「自分のために」口に出す言葉ではないはずです。

 

まずは、顧問自身が自分の行動を見直すことが大事。

顧問の最大の仕事は何か。

 

それは、選手の為の「環境づくり」です。

 

・早朝にせよ何にせよ、練習が始まったとき、一番に練習場所に顧問が立っているかどうか。

・道具の管理は生徒がやるにせよ、道具の状態を把握しているかどうか。

・試合会場では、どこで何が起きているか(口に出さなくても)知っているかどうか。

・コートの凸凹やポイントの整備を常に気にしているか。

など。

顧問は高いアンテナが必要だ。

 

高いアンテナでキャッチした情報を基に、環境づくりを進めていくのだから。

 

生徒の主体性を強く主張して、自分の役割を見失っている顧問もいるが、それでは部活の成熟は進みにくいと思います。

 

顧問が一番しんどいことを担っていくと、結果がついてくる。

そうすると、生徒の動きも「オートメーション化」してくる。

生徒が判断できることが増え、自信もついてくるので、堂々とした実行力がついてきます。

 

例えば、

初めの頃は、

顧問が一番に試合会場へ行き、

生徒の先頭に立って他校へのあいさつをすませ、

練習コートを手配してもらっていた。

それが、部活が成熟してくると、

顧問がいなくても、生徒が自ら会場であいさつを済ませ、

コートの使用許可をもらい、練習を始めていた。

しかも、コート周りを占有し、ランニングアップからしていたのだから、逆にこちらが気を遣った。

 

生徒が自分で考え、自信がつくと、指示を出さなくても、行動が「オートメーション化」していったことの例です。

 

自信をもって、行動している姿を見ると、不思議とまわりの人は口出ししにくくなるものです。

 

生徒の主体性が良い方向に伸びていくことは、

部活が育っている証拠だと思います。


「オートメーション化」できるようになっても、顧問の意識は、「自分が一番しんどいことを担う」を持ち続けること。

特に、公立の学校では、その顧問の意識が止まると、部活の成長が止まってしまうと思います。

 

 

6 顧問!とことん裏切られ物語

顧問はメンタルが強くなくてはならないでしょう。

 

カレーライスじゃないけど、

部活には”ココ一番”が何度も何度も登場します。

 

試合でも、練習でも、生活でも。

ありとあらゆる”ココ一番”

 

そして、そこでズッコケる。

ズッコケさせられる。

これぞまさに教育。なのか!?

 

練習では、さぼる・もめる・言い訳をするの三拍子。

 

やりたいのか、やりたくないのかわからなくなる。

 

そう、”やりたいから所属している”わけでもない子もいる。

友だちとの付き合いや、会話を楽しみにしていたり、ファッションの一部のように部活に所属している子もいる。

 

顧問は、熱血でないと、子どもを染めるのは難しい。

でも、”熱血”至上の時代でもない。

 

熱血が必要か否かを悩む間に、生徒はどんどん部活を”ファッションの一部”へと化していく。

 

試合の後のミーティングで、試合の反省を聞くと、

「技術不足だった」という反省の弁が多い。

 

でも、顧問として思うのは、

技術的な未熟さを反省してほしい気持ちよりも、

”気持ちの足りなさ”や”気持ちのあいまいさ”をもっと感じてほしい

ということ。

 

そのためにも、

裏切られても裏切られても、顧問の熱血は発揮してほしいと願っています。

 

おしまい


 

「ソフトテニス部指導法」では、部活指導の3つのコツについてまとめてます。

勝つためのソフトテニス部の指導法【実践したこと】
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