「悠久」という言葉がよく似合う。
メコン川。
茶色く濁った川には、
茶色い川の美しさがある。
メコン川に行ってみたい、と思って本も買った。
読んでいるだけで、わくわくする。
メコン流域を旅するには、もってこいの一冊だった。
(※厳密には1996年の初版本を購入。)
いまだに大事に持っている。
当時は、情報が「本」しかなかったから。
「本」は、共に「旅」をした連れのようで愛着がある。
ラオスでスローボートで旅をした体験をまとめました。
Contents
「タイ」から陸路で「ラオス」へ入国
![ラオスベトナム中国ゴールデントライアングル](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/03/goldentriangle.jpg)
ゴールデントライアングルにて、メコン川を臨む (左の陸地がミャンマー 右がラオス タイ領土から撮影)
このときは、タイから国境を越えてラオスに入りました。
さらっと、ラオスに入国できたように書いてます。
でも実際、ラオスビザを取るのに、タイ側のチェンコンで3日待ちました。
料金は約80米ドルでした。
ぼくの東南アジア旅では、高額なもののひとつでした。。
ラオスへ入国してすぐの
「フェイサイ」という町から、スローボートに乗り、
「パクベン」という町に一泊停泊し、
「ルアンプラバン」を目指す。
距離にして、だいたい200キロ~300キロの船旅だ。
※ただし、本記事の内容は「1998年の旅」です。
少し新しい情報が知りたい方は以下ブログがいいかも
2015年 メコン川を「スローボート」で移動する船の旅 https://www.travel.co.jp/guide/article/12590/
2017年 世界三大河川ラオス・メコン川をスローボートでクルーズ旅してきた! https://tripler.asia/laos-mekong-slowboat/
「スローボート」の乗船価格は
この20年で、日本とラオスの通貨レートもずいぶん変わった。
20年前の円kipレート
1998年頃 100円=1900kip
2020年現在 100円=8300kip
「フェイサイ~ルアンプラバン間」のスローボートの値段も
1998年頃 28000kip(1500円程度)
2020年現在 220000kip(2650円程度)
と変化している。
当時のスローボートの値段、「28000kip」は支払った値段で、公定価格はよくわからない。
乗船券を売るおばちゃんが、
「昨日から値上がりしてん。」と
「んな、あほな!」
と思うようなことを言ったので、
たぶん「顔見て値上げ」の必殺技を食らったのかも知れない。
「悠久なるメコンの船旅」について解説します。
【出発地】ラオス「フェイサイ」の町
タイの「チェンコン」という町から「メコン川」を越えると、
ラオス国境の町「フェイサイ」に着く。
「フェイサイ」には、タイのイミグレーションから、舟で入る。
国境を舟で越えるのは初体験。
冒険RPG感がある。
上陸するとすぐに、ラオスのイミグレーションが待ちかまえている。
入国審査がスムーズに進めばラッキーだ。
途中で、「ランチタイム!フィニッシュ。」とイミグレの役人に言われる場合もある。
自分が行ったときは、「ランチタイム!フィニッシュ」を食らった。
「途中でやめるなよ…。」
結局、タイとラオスの国境のはざまで「4時間待たされた」のだ。
1時を過ぎ、「ランチタイム」は終了したように見えても、入国手続きを再開しようとしない。
今あらためて考えると、ツーリストに対して、何らかの「無言の要求」があったのかも知れない。。
当時は、インターネットもまだまだ初期の段階で、情報量も本に頼ったので、旅の「偶然」に翻弄されることも多かった。
フェイサイの入り口で「4時間」。
インドの電車も「4時間」待った。
当時、アジアで「4時間」はスタンダードな待ち時間だった。。かも。
11時半から、夕方4時まで待ち、ようやく手続きが再開され、町へ入る。
ゲストハウスの数は少ないが、小さい町なのですぐに見つかりました。
【ラオスの交通手段】について
ラオスの交通手段
1、バス
2、舟
3、飛行機
電車も一応ある。
ラオスの電車は
路線の全長 1キロ
車両保有数0台(走ってるのはタイ保有車両)
利用客は、ほとんどがツーリストの外国人という。
Wikipedia ラオスの鉄道 より参考引用
ラオスの交通は
主に、「バス」だ。
ガードレールの無い未舗装の山間部の道を”時速80キロから100キロで爆走する”バスだ。
はっきり言って、怖い。
そして「舟」。
ラオスとタイの国境は、大部分が「メコン川」で区切られている。
「メコン川」を利用した舟はラオスの交通の要と言える。
そのメインが、「フェイサイ~ルアンプラバン間」の船旅だ。
舟には2種類ある
スローボート フェイサイ~ルアンプラバン間 1泊2日 20人以上乗れる 値段がやすい
スピードボート フェイサイ~ルアンプラバン間 6時間 6~8人乗り 値段が高い 音が大きい 事故に備え、ヘルメット・ライフジャケット着用
昔とちがうところ
1990年代のスローボートは
1、「船内にイスはなかった。」
現在は船内にシートがあり、全席指定。昔のスローボートは「平らな板の間」だった。これが個人的には実に楽で良かった。ただ屋根の高さが低く、立てないので、ツーリストは窓から屋根にのぼり、屋根の上でぼ~っと長い時間を過ごした。
2、「トイレが広くなっている!?」
最近は、船内のトイレに言及された情報がないが、トイレの狭さは異常だった。計ったわけではないが、「体感高さ」65センチほどのむちゃくちゃ小さなスペースに入り用を足した。トイレの後で、「出られないのでは」と不安になるほどの窮屈なトイレが一つあった。もちろん、メコン垂れ流し。
3、「値上がりした。」
28000kipで乗船したときも、「高い」と思った。 当時、「メコンの国」の情報によると、「7500kip」と書いてあったので、チケット売り場のおばちゃんに「値段がちがう!」と言ったのだが、「昨日から値上がりした」と言われ、仕方なく言い値で購入した。今は、「220000kip」が公定価格。スローボートも観光地化してきたようで値上がりしている。
そして、「飛行機」もある。
路線は充実しており、国内便の数は多い方だ。
機体は古く、料金も安くはない。
Googleルートマップが答える【ラオスの交通手段】
ラオスで1番の交通機関はまぎれもなく「バス」だ。
でも、2番目は舟だ。
特に、
「フェイサイ~ルアンプラバン間」の交通では、舟が中心。
車は不便だ。
「Google map」では、このコースで、どのルートを推奨するのだろうか。
Google mapでルート検索をかけてみた。
Google map推奨ルートは
10時間7分
バス一択だ。
ぼくが「スローボート」チケットを買った方法
フェイサイの町に行くツーリストはメコン川のボートの利用者が多い。
そのため、いろいろな場所でチケットの入手ができるようだ。
町の北側に、スローボート乗り場が、
南側に、スピードボート乗り場がそれぞれある。
自分の場合は、スローボート乗り場で購入しようと思っていたが、イミグレーションの近くに「スローボートチケット出張販売所」みたいなものがあり、他のツーリストも購入していたので、そこで買った。
乗り場にわざわざ行かなくても、ゲストハウスでもチケットの手配はしてくれるようだ。
どうしても価格が気になる、という人は、ボート乗り場で購入する人も多いようだが、
ボート乗り場でも、誰が「オフィシャルな」チケット販売員かわからない。
町をぶらぶらしてたら、なんとなく「チケット」が手に入った、なんて話も聞く。
フェサイル~ルアンプラバン間のスローボートは定期運航しているはずなので、焦らなくてもいいだろう。
入国後 日没までにしたいことは
ラオスkipを手に入れること「両替だ!」
kipを持っていない人は、ボートチケットよりも「両替」することを優先させよう。
ラオスkip両替時の注意点
フェイサイの町に入国した時間によっては、銀行での両替ができないこともある。
そんなときは、少しレートが悪くても
ホテルなどで、「正確に両替できる場所」で両替することをおすすめする。
間違っても、見ず知らずの人に「少し優しかった」から、とか
「なんとなく親しみがもてた」から、と言ってついていかないこと。
ラオスkipへの両替は
1、銀行が開いていれば、まずは銀行で両替する
2、ホテルやゲストハウスなど安心できる場所でする
3、kip紙幣は一見「おもちゃ」みたいなので、真偽がわかる場所でする
4、最悪、円やドル、タイバーツでも支払い可能なところも多いので心配しなくていい
5、見ず知らずの人との両替は避けた方が無難
ラオスの「スローボート」の魅力に出会う
![メコン川沿いで手を振るラオスの子どもたち](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/03/alongmekong.jpg)
メコン川沿いで手を振るラオスの子どもたち
メコン川を行くのに、はやく過ぎてはもったいない。
ということで、ルアンプラバンまでの道のりは、「スローボート」の選択しかなかった。
スローボートの魅力とは何だろうか。
スローボートという名前がついているが、思っているほどスピードは遅くない。
スピードボートと比べてスローなだけ、といった感じ。
スローボートで過ぎる時間はとてもゆったりしている。
ただ、悠久の大河の流れに身を任せ、川沿いの景色に目を向ける。
川沿いにある、ラオスの人々の生活、
荒々しく伐採された土地などの環境問題、
ひっそりと残されている自然や遺跡、
自然の静寂の中にたたずむ寺院。
人間の歴史を垣間見るような気持ちで、
自分も歴史や自然の一部になったような心地がする。
ラオスの人々が目を輝かせて生きている姿に目を奪われる。
自分がスローボートに乗ったころ、日本人ツーリストはほとんどいなかった。
同船したのは、欧米人とラオ人が多かった。
船内の座席もなく、板の間の地べたに座り込んだり、横になったりできた。
人の数もまばらで、同船していたラオ人の家族に「昼食」を頂いた。
ラオスの料理とおにぎりを、みんなで手でつまんで食べた。
おすそ分けをもらった立場でありながら、ぼくは、お腹いっぱいに食べた。
スローボート船内にゆとりがあった。
メコンを全身で感じているようだった。
パクベンで一泊の途中停泊
フェイサイを出て、7時間半ほどでパクベンの町に途中停泊した。
この町に上陸し、ゲストハウスで一泊する。
パクベンの町は、町というよりも小さな「集落」だ。
夕食も、屋台で買ってゲストハウスで食べた。
食べ物を並べている屋台は、舗装されていない不安定な足場に立ててあり、台の足元に大小さまざまな小石をはさんでバランスを取っている。
並んでいる食べ物には、ハエが飛んでいるものもある。
虫がとまってるようなものは避け、できるだけ包装したものや、できたての食材を買って帰った。
【今と昔】パクベンの様子を比較してみた
パクベンは、小さな集落で、メインストリートは1本道しかない。
いまだに、パクベンの町が途中停泊の町だと聞くと「いまにも無くなりそうな町だったのに」とうれしく思う。
2011年7月のパクベンの写真(サイト:「スタートラオス」 https://www.startlaos.com/northtern-laos/slowboat-trip より引用:現在閉鎖されています) 管理人 西村さん
偶然だが、
自分も同じ場所を20年前に撮影していた。
![スローボート中継地パクベンの町](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/03/pakuben.jpg)
1998年頃のパクベン
サイト「スタートラオス」を読んで驚いた。
「パクベン、めっちゃ変わってるやん~!」
近年のラオスの経済成長率は6%を超えると聞く。
ものすごい勢いで経済成長している。
それが、このパクベンの町にも現れているのか。
道の傾斜と、道路の曲がり具合が似ているが、まわりの建物や電柱が真新しさを感じさせる。
1990年代、パクベンにも「電気」は通っていた。
電気が通っている町なんだ、と安心したのもつかの間で、ゲストハウスの自分の部屋は「ろうそくの火」しかなかった。
寝る前に、「ろうそく」つけっぱなしで寝たら火事になる、と細心の注意をして寝たのだ。
それが、今のパクベンでは、「Wi-fi」も飛んでいるというから驚き。
スローボートの途中停泊は安心してできます。
【グーグルマップに無い】メコン川をスローボートで旅してみた【ラオス1990年代】 まとめ
![メコン川のほとりの猿の親子](https://buzzteachers.com/wp-content/uploads/2021/03/monkey.jpg)
メコン川のほとり 猿の親子がいた
悠久なる大河 メコン川「スローボートの旅」についてのまとめです。
時代の流れとともに、どこの国にも当然いろいろな変化があります。
その中でも、ベースとなるものは大きく変わらないはずです。
スローボートの旅では、自然やラオ人の人柄などは大きく変化してないと思います。
※一部、パクベンなどは、ゲストハウスの案内人などが増え、観光地化してきてますが。
優しくて無邪気な人柄がラオ人のベースにあります。
自分が行ったルートは、
「フェサイル→ルアンプラバン」という航程でしたが、この逆向きの航程も可能です。
メコン川の流れが、逆行になるので、所要時間が多少変わるかも知れませんが。
ちなみに、
パクベンを出てから、ルアンプラバンまでは9時間ちょっとかかりました。
ルアンプラバンに到着したのは、午後6時過ぎでした。
道中(船中)は、本当に時間がゆっくりと流れます。
何もすることがありません。
でも、バスや飛行機の長時間よりも、全然楽で、楽しめました。
当時は、スローボートの屋根の上が特等席で、みんな屋根に上って過ごしました。
※ただ、屋根のひさしが出っ張ってるので、屋根から下に降りてくるときは、至難の業でしたが。。笑
旅では、良くも悪くも「偶然」に左右されることがあります。
メコン川の流れに身を任せていると、これまでの旅のアンラッキーだったことも少し洗い流せるのではないでしょうか。
スローボートの旅では、自分の旅を「人に惑わされる」ことがありません。
ゆっくりとした時間が流れていきます。
茶色い川の魅力を存分に感じたいですね。
スローボートの移動日に準備するもの
最後に、スローボートの移動日に持っていた方がいい物ですが、
移動日には
バックパックに
「食糧」を追加しよう!
バックパック全体については、以下ブログを参照ください。
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船旅以外でも、移動日は食糧を持ち歩くはずです。
でも、船旅では、本当に密閉空間のようになるので、水や食料などが手に入りにくいです。
自分は一人でふらふらしてたので、たまたま、ラオ人の家族に、夕食をごちそうになりましたが、船旅の航行時間は、天候などにも左右されます。
非常食などの準備をする、貴重品の管理を徹底する。
移動日には自分のバックパックの見直しと、準備をしっかりしましょう。
おしまい
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