中間管理職といった立場の主幹教諭。
その選考試験とは、どんなものなのか。
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主幹教諭選考試験は「レポートor論文」からが多い
2007年に新たに設置された「主幹教諭」とは。
教務主任や学年主任とは違います。
言うならば、
教務主任や学年主任が校内での「係」だとすると、主幹教諭は「役職」となります。
だから、学校を異動しても「主幹教諭」のままその立場は変わりません。
「主幹教諭」の役割については、先の表の通り。
(本記事は「役割」や「自治体」には深入りせず、選考試験についてだけまとめます。)
一例として
広島県教育委員会 「教頭・主幹教諭採用選考試験」では
広島県教育委員会が公表されているように、選考試験志望書を書く際、シンプルな教育ビジョンや教育実践を書くことが多いようです。
主幹教諭になるには、選考試験を受けなければならないわけですが。
主幹教諭選考試験の内容は、ズバリ!
自分に関する「レポートor小論文」と「面接」です。
※自治体や年度によって多少の差がありますが、公表されている主幹選考試験を元にまとめます。
「自分を語れるもの」が思いつかないときは
主幹教諭になる、ならないに関わらず、「自分を語れるもの」は必要だと思います。
選考試験を受ける時に、レポートを書かなくてはなりません。
普段あまり考えないようなことを「じっくり考える」わけですが。
語れるものがどれほどあるだろうか。
自分のことを、自分で掘り下げてみるというのは、いくつになってもなかなか難しいものです。
まずは、教育実践での、「実績」と考えられるものをピックアップしてみましょう。
どうしても思いつかない時は、「教育振興基本計画」なんかを読み返してみるといいでしょう。
第3期教育振興基本計画(2018~2022年度版) 文部科学省より
読む中で、実績として書けるものに気づくかも知れません。
自分の強みになるようなことをアピールしましょう。
レポートの具体的なテーマは
指導教諭選考のレポートと比べると、主幹教諭の方は求められる量は少ない。
少ない分、書く内容はできるだけ濃い方がいい。
具体的なテーマは大きくは2つ
1、自分の教育実践に関わること
2、学校経営に関わること
が多いようです。
これらについて、まとめなければなりません。
1「教育実践に関わること」
これまで、どのような教育活動を行ってきたかですね。
取り組み内容とその成果についてアピールするといいでしょう。
具体的な、取り組みを主導した経験がどうしても無い場合、
日頃から、子どもたちと接する中で、自分が心がけていることでもいいと思います。
とにかく、語るものが必要です。
自分のことをふり返って、なんとか探しましょう。
2「学校経営に関わること」
学校経営に関わったことが全くないという人はいないはず。
主任や部長でなくても、一教諭としても学校経営にはかかわることができるはず。
学校経営を円滑に進めるために自分がどんな役割を担ってきたか。
自分にはどんなことができたのか、についてまとめましょう。
また、主任や部長を経験したことのある人は、
その経験の中で、校務運営について語るといいでしょう。
校務運営は難しいものです。
周りは全員教師なのですが、それぞれに自分の思いや考え方があります。
それを組織としてまとめ、動かしていくためにどんなことをしてきたか。
また、これから何ができるか、について改めて考えてみましょう。
そこから、今の赴任校での「課題」も見えてくるはずです。
主幹教諭は、校内でリーダーシップを執る。
教員と管理職の考えをうまくまとめて学校が円滑に機能するように動く。
という立場の人です。
自分の学校課題については、尋ねられなくても「把握」しておく必要があるでしょう。
主幹教諭選考 面接試験【質問対策☆ベスト5】
レポートを提出し、管理職からもとりあえず推してもらったら、いよいよ面接です。
面接対策としては、
第5位 自分が書いたレポートの内容は完璧に熟知
自分が書いた内容は、質問されても答えられるようにしておきましょう。
また、詳しく聞かれたときには、補いながら説明できるよう、考えを深めておいた方がいいです。
第4位 自分の勤務している「学校」の現状と課題
勤務校の「現状課題」を認識しておくことも大事です。
主幹教諭は学校運営を円滑にすすめるための役割を担うことになります。管理職の目線と、主幹教諭の目線はまたちがう場合もあります。
自分が考える学校課題を整理し、どうすればスムーズな学校経営ができるかイメージしておくといいでしょう。
第3位 自分の勤務している「地域」の現状と課題
主幹教諭試験は、学校外へも目を向けて考えておくことが必要でしょう。
勤務校の地域が抱えている課題と、それに対して自分が考える対策などを整理しておくといいでしょう。
第2位 本自治体の教育トレンドを知る
自治体ごとに指導の重点課題を知っておきましょう。
指導の重点がどこに定めてあるかを認識し、自分の教育実践ではそれをどのように意識し、実現しようとしているか答えられるようにしましょう。
と、この辺は質問されてもスムーズに語れなくてはなりません。
自治体の教育トレンドとは、
自分の勤務する自治体が、「力を入れていること」について知っておくことです。
自治体トレンドが、
外国語学習なのか、
キャリア教育なのか、
小中連携なのか。とか。
自治体トレンドを知れば、学校運営についての将来の展望が抱けます。
主幹教諭は、管理職の言葉を、いわば「翻訳する」ような仕事だと言えます。
だから、自治体トレンドについての質問があることは当然とも言えます。
かならず、抑えておきたいところですね。
そして、それについて「自分には何ができるのか」がアピールポイントになります。
トレンドを知っているだけではなく、自分にできることまで、考えを落とし込んでおきましょう。
そして、面接対策第1位は
第1位 将来、管理職への展望
管理職への展望です。
将来、あなたが、教頭、校長、指導主事などの道へ進むことを考えていること、さらにどのような学校経営をイメージし、それに参画できるかです。
「主幹教諭は、次期管理職への登竜門だ。」
そういった見方も強いポジションになってきています。
当然、将来の教育ビジョンについての、質問に対する答えが必要だと言えます。
主幹教諭選考試験【どんな試験】 まとめ
どんな選考試験にも言えることですが、「とにかく一度受けてみること」です。
少しでも気になることは、できる限り、実際に自分で体験してみることが大事です。
教員採用試験でも同じで、受けてみないとわからないものがあります。
そして、不合格と言われることで、反省が生まれ、合格のための対策を考えることができます。
ぶっちゃけ、自分は主幹教諭選考を1回落ちました。。
自分に足りなかったところは何か。
あそこでこうすればよかった。
など。
あとから、反省することで落ちた理由も見えてきます。
その時の落ちた理由は、
先に書いた「質問対策ベスト5」を完全網羅出来ていなかったことでした。
\教わる機会が少ない/
そんな風に、経験を通して、徐々に「自分の考えが深まっていくこと」が大事なのかなあ、と思います。
受けるからには、「合格」したいし。
「合格」と言われると、これまた、いくつになっても嬉しいものです。
主幹教諭選考試験、落ちることもあります。
でも、1回、2回落ちても気にしなくていいと思います。
必ず次につながります。
おしまい。
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