ぼくが「行動」について考えた一冊

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ぼくが「行動」について考えた一冊【※ビジネス書ではないよ】

『アフォリズム』という言葉がある。

アフォリズムとは…

金言、格言。短いが、深い思考により、一般真理を端的な言葉で言い表したもの。

 

ぼくは、『アフォリズム』が好きです。

 

今までぼくが読んだ本の中で、「行動アフォリズムを感じさせる一冊」について紹介します。

 

 

「行動」について考える一冊 ”小説・エッセー編

沢木耕太郎 『深夜特急』

 

なるほどブッダガヤとはブッダのガヤを意味する地名なのだ。そのガヤへ行くには、パトナの手前のキウルで乗り換え、さらに数時間汽車に乗らなくてはならないらしい。しかし、少々の手間はかかっても、目的地さえはっきりしていれば苦にならない。それに私は、風に吹かれ、水に流され、偶然に身を委ねて旅することに、ある種の快感を覚えるようになっていた。

沢木耕太郎『深夜特急』より

旅に出て世界を見ること。

 

その意味を考えさせられる。

旅の魅力にひきこまれる。

言わずと知れたバックパッカーのバイブルだ。

 

作者は、インドからロンドンを目指す旅に出た。

インドにたどり着くまでに、香港やマレー半島縦断の道を行く。

1980~1990年代の旅人たちに強い影響を与えた。

 

自分も、影響を受けたバックパッカーの一人だった。

 

”風に吹かれ、水に流され、偶然に身を委ねる旅が与える快感”

 

作者が感じた快感を多くのバックパッカーが感じたことだろう。

 

当時の旅は、情報の少なさからかなり無謀と思われた挑戦だった。

偶然によって、幸にも不幸にもなるのが、バックパッカーの一人旅だ。

ぼくは、どうも3巻の「インド・ネパール編」が好きなんですよね。

 

 

”Breeze is nice.”

うまいなあ、と思う。イギリス人なのだから、英語を上手に使うのになんの不思議はないけれど、それにしても単純に並べただけのこの言葉の美しさはどうしたことだろう。

ブリーズ・イズ・ナイス。本当にそよ風は素敵なのだ……。

慌ただしい仕事に追われる日。そよ風を感じますか。

そよ風を感じる心が生まれるのも、また「旅」の中だけかも知れないなあ、と思う所です。

 

 

村上龍 『すべての男は消耗品・・・である。vol2』

(記事内容は"vol2"ですが、上の作品は、”vol1”です。)

よく人生相談などで、若い者には負けないぜ、なーんて言ってる中年男がいるけど、それは違う。

負けるのだ。

負けるべきところは最初からしっかりと負けているということを知るべきだと思う。肉は下へ下へとタルんでくるし、肌はしだいに老いてくる。

女も同じだ。

しかし、愛する女が老けていくのを目撃するのはそう悪いものでもない。かつて出会った頃は、少年のようにしなやかでのびやかだった足や腹に肉がついて、当然シワも増えていく。肌にも艶がなくなり、髪にチラホラ白いものが混じったりするが、オレはそういう事態を悲しいとは思わない。

そこにあるのは時間の経過である。

ああ、オレはこの女と共に生きてきたのだ、という妙な幸福感があるものなのだ。

村上龍「すべての男は消耗品・・・である。vol2」より

男が使い捨てだ、という内容よりも、作者自身の”恋愛観”や”男論”、”女論”、”世代論”が展開されている。

1980年代の話題が中心。

 

作者の言葉からは、時代がのびやかに感じられる。

それは、村上龍自身がのびのびと生きているからだろう。

 

自信というのは何によって成立しているのだろうか? 金の力? ー中略ー

オレは少し違うような気がする。

一番大切なのは、自分で自分を認め、それが一人よがりになっていないことだと思う。ああ、また、今の世の中で、一番難しいことを言ってしまった。

村上龍「すべての男は消耗品・・・である。vol2」より

作者の村上龍からは自信を感じる。

そんな作者の言葉に触れてみる。

 

なんとなく、なんだか、まことにしょうもないことが世の中多いことに気づくかも知れません。

情報の多い時代だからこそ、”本物の情報”だけを瞬時に見抜く力が必要だと思います。

 

ぼうだいな情報が、迫ってくる時代。振り回されないようにしたいなあ。

 

 

三島由紀夫『行動学入門』と『葉隠入門』

 

行動は一度始まりだすと、その論理が終わるまでやむことがない。ー中略ー

目的のない行動はあり得ないから、目的の無い思考、あるいは目的のない感覚に生きている人たちは行動というものを忌みきらい、これをおそれて身をよける。

三島由紀夫「行動学入門」より

行動の真髄を見事に言葉で言い表している。

 

「行動」というものについて、三島は具体的に考えている。

誰よりも「行動」することに敏感だった作家だった三島だから、当然かも知れないが。

 

常に「行動」に理由と論理を持った作家の、完璧主義的一面が感じられる。

 

行動について、そんな深く思考する所が畏れ入ります。

漫然と生きてないね。

言葉が迫力を持って今でも生きて人に届く。

 

時は人間を変え、人間を変節させ、あるいは向上させる。

しかし、この人生がいつも死に直面し、一瞬一瞬しか真実がないとすれば、時の経過というものは、重んずるに足りないのである。

三島由紀夫「葉隠入門」より

「最近、老けたなあ~。だって、〇〇才だもん。」なんて会話。

それってまったく意味がないってことですね。

 

時の経過は、重要じゃないよ。

だって、人間っていつ死ぬかわからないんだもん。

だから、今この瞬間生きていること。それだけが真実だよ。

 

まあ、でも確かに、人が成長するには「時間」がかかるけど。

だからって、「時間」を語っても意味がないんだよ。って感じですね。

 

本質をズバズバと切り裂いていく痛烈な言葉の嵐。

 

「行動」できることは「目的意識」がはっきりしていること。

そして、今生きているということを「自覚」していること。

 

人に言われると、ハッとするような言葉です。

 

 

大塩平八郎 『洗心洞箚記せんしんどうさっき

身の死するを恨まず、心の死するを恨む

大塩平八郎「洗心洞箚記せんしんどうさっき」より

もう、ほとんど手に入らなくなりました。

「洗心洞箚記」

 

”大塩平八郎の乱”って、日本史で習ったけど、あの乱を起こした人の言葉。

 

大塩平八郎は、大坂町奉行の与力。

奉行所だから、役人だ。

公務員だ。与力だから、その中でもちょっと偉い人か。

ちょっと偉いけど、将軍に会ったり、江戸城に登城したりすることはできなかった立場。

 

そんな平八郎は、曲がったこととが大嫌い。

人に妥協することも許されない。

この人、完璧主義かも。

 

だから、苦しんでいる民衆を救うため幕府に歯向かったが、わずか数時間であっけなく鎮圧された。

 

身は滅んでも、心が滅ぶことを嫌った人。

 

”知ることは行為の始めなり、行為は知ることの完成である”と、

行動を伴わない知識は未完成なものという理念を持っていた。

まさに、知行合一の思想。

 

昔は、「行動家」が多くいたように感じる。

でも、今でもアクションを起こす人の考え方は、見えてないだけで、生きているよ。きっと。

 

 

バーナード・ショー『人と超人』

 できる男は「行動」し、できない男は「講釈」する。

バーナード・ショー「人と超人」より

いつの時代にも言えること。

まさに、”巧言令色鮮し仁、剛毅朴訥仁に近し”だ。

 

当たり障りなく、誰にでも愛想よくペラペラと上手く話せる男に本当の思いやりは見えない。

口数が少なく、意志の強い男こそが、人としての理想である”仁”に近い人間だ。

自分の強い意志でもって、黙って行動する男。

 

今は、少ないんじゃないか。

だって、あらかじめ先手を打つことが、必要な世の中になってきてるような気がするから。

行動も大事。でも、講釈も必要。

そう考えたりもする。

 

 

百田尚樹 『永遠の0』

日本は民主主義の国となり、平和な社会を持った。

高度経済成長を迎え、人々は自由と豊かさを謳歌した。

しかしその陰で大事なものを失った。

戦後の民主主義と繁栄は、日本人から「道徳」を奪ったーーと思う。今、街には、自分さえよければいいという人間たちが溢れている。

六十年前はそうではなかった。

わしは、少し長く生き過ぎたようだ。

百田直樹「永遠の0」より


 

映画版や、漫画版で見ても、気持ちが伝わってくる。

 

少し前に流行って、いろいろなメディアで読んだり、見たりすることができる。

主人公の祖父、宮部のとった行動の真意を考えると、なんともいえない切ない気持ちが残る。

 

行動は変異するんだよ。
時代ごとに、変わるんだよ。きっと。

 

でも、本質は大きく変わってないはず。

同じ人間だから。

 

今回は、「行動アフォリズム」についてまとめてみました。

おしまい。

 

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